絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

バイオリン練習記を書く前に~「音楽の才能」というものについて考える

「音楽の才能」とはなんであるか。

私は音楽に関しては凡人です。
音感がほんの少しいいのと、「良い音」「(ざっくりと)良い演奏」が判断できる(と思っている)、そのくらい。

保育園の時、ヤマハの幼児音楽教室でエレクトーンをやり
小学生からはピアノをやったけれど「習わされている感」しかなくて、嫌いでした。
練習は週に一回、レッスンの直前だけという酷い有様。
中学三年でやめました。ほんとはもっと早くやめたかったくらい。

でも音楽は好きで、大学二年生の時に「楽器がやりたい!」と思い
サークル棟でいつも練習しているクラシックギター部の様子がすごく気になって、あれがいい!と入部。
そこから「クラシックギター命」の数年間が始まります。
毎日何時間も練習しました。

でもやっぱり凡人なんです(笑)
練習した分だけ、「普通に」うまくなる程度。ものすごくはうまくなれない。

そしてそこでできた彼氏というのが器用で、とてもうまくて、あの頃の仙台市の学生の中ではたぶん一番うまくて、
クラシックギターのプロになる!」と頑張っていたのです。
それで、東京までコンクールというものを見に行くようになったり、コンサートをよく聞くようになったり、
挙句の果てにはプロを呼んでコンサートをホール借りて主催しちゃう(300人規模)というところにまでいった私。

大学卒業して、会社に就職して、その彼氏とはなんだかうまくいかなくなっても、
まだクラシックギターが好きでたまりませんでした。
練習してレッスンを受け、
一方でプロを呼んでコンサート主催してマスタークラスをやる、というのも慣れてきました。

そして就職して二年目のこと。
クラシックギターといえば「現代ギター社」という出版社がその世界を牽引していたのですが(今もかな)、
その元編集長が新しい出版社をやる!という話を聞きつけ、会社をやめてそこに飛び込みました。

バカですよねー。当時は若さ&躁状態で周りが何も見えず、あらゆる反対をふりきって辞めました。
そのアホさに気づき後悔するのはだいぶ後でした…。
いや笑えない…。
もう今は、現在の生活状況が好きなので消化できましたが。
(女が安定した大企業を辞めるというのは、一生を通じて見ると大損だということに気づいたのは出産を意識してから)

その出版社に入ってすぐ、ニューヨークの某国際的音大から帰国した同い年のギタリストと出会い、一度目の結婚をしました。
これもとんでもなく痛い目にあいましたが、今は消化してます(笑)

このような、クラシックギターの出版社でCDの録音に何度も立ち会う、プロたちに出会いそして交流する、演奏会やCDをたくさん聞きレビューを書く、
プロの演奏家と結婚し生活をともにする、といった中で
「一流の演奏家のプロというのはこういう才能を持つ人」というのが自分の中でできあがりました。



・音感、リズム感の才能が生まれつきある
天才小学生みたいな子たちもたくさん見ましたが、みなある程度才能をもともと持っています。
よく「親が音痴に歌っていると、子どもも音痴になる」とか言いますが、
たぶんあれは「親が音痴で、それが子どもに遺伝しているだけ」のような気がします。
でも「変な音をずっと聞かされていると耳が変になる」はあるか…。
西洋音楽絶対音感をつけさせたいのに調律の狂ったピアノを毎日聞かせたら、それは変になるな!

・表現力の才能も生まれつきある
これも訓練である程度のところまでいきますが、最後争うときに才能が大きい。
100点満点中90点までは努力で互角のところまでいけても、残り10点の争いで違いが出てくる。
音楽以外でもいますよね。俳優さん女優さんも「これは練習でどうにかなるものじゃなくて才能・感性だ」って人。
そういう天才に訓練だけで勝とうとするとかなりハード。



そして性格・性質の才能というのもあります。

・努力できる才能、努力が好きな才能、負けず嫌い、その辺に対する鬼メンタル・鬼集中力
これは大きい!!
五嶋みどりさんは5歳の時に一日5時間練習していた」とか聞きます。
普通はできない。それができるから天才。努力できる性質というのも才能。
プロと結婚していた時も、朝から晩までものすごい練習をしていましたよ。すごかった。
練習の時の厳しい姿は、普段のにこやかな姿からは想像できない。
発狂寸前なんじゃないかみたいな限界レベルで練習をしている。
そしてそれを外では決して見せない。これポイント。
見せないから「天才は練習しなくてもできるんでしょ」と勘違いされがちですが、めっちゃしてる。



あとこれは才能と訓練の両方の性質をもつもの

・そのくらい練習しても故障しない肉体
これも大きい! 弦楽器とかの場合、やりすぎて腱鞘炎で終了とかよくあります。
アレキサンダーテクニックとかのテクニックもあるけれど、もともとの身体の強靭さ・そうならない身体の使い方の才能、どっちもだろうな。

・同じ練習量で身に付けることが多い
練習の効率が良い。例えばある曲を普通の人は2週間でテクニック的に弾けるようになり、2週間で暗譜するとしましょう。
それを鬼才能は、1日で弾けるようになり1日で暗譜する、みたいな。
これも幼少期からの訓練の賜物ともいえるし、でも大人になって始めた天才は幼少期の訓練ないのにこれができたりするから、両方の要素があると思います。

・自分自身が大好きなこと
コンクールやリサイタルなんて「自分を見て!」という場です。
自分が嫌い・自信がない人はそのオーラが出ます。
舞台上で尋常じゃなく輝くオーラを放つ人というのがいます。自分を大きく美しく見せる。
これも経験を重ねていくとついていくのかな。
「売れるにつれて段々オーラ出てきたね」という芸能人も多いように。

オマケでルックスが「そこそこ以上」というのも売れる素質として、場合によりちょっと大事。



ちなみにこれらの「プロの才能」は、ソリストとしての才能です。
楽器によって人口もレベルもまちまちなので一概に言えませんが、日本のコンクール・国際コンクール上位入賞レベル。
レッスンプロ、プロ組織の一員だといらない才能も多々あります。オーラとかいらないだろうな。


この世界のきらびやかな部分と、後ろのすごい努力の部分、両方知ってしまって
私はさらに音楽の魅力に取りつかれ、もうだめです。
20代おわりからはクラシックギターからバイオリンに興味が移行し、今はそちらにどっぷりです。
自分自身も1年ちょっと習いました。下手すぎてびびります(笑)

というわけで、かなり小さいころから歌うことが大好きで、しかも音程がとても良い娘には
バイオリンを習わせております。
プロになって欲しいとかいうわけではなく(むしろバイオリンのプロなんていくらかかるんだよ…と考えただけで恐ろしいですw)
本人に合ってるだろうと親目線で判断しました。
でも私の才能のなさ、その子どもなので多大な期待はしません^^;

そう、その娘のバイオリンの練習の様子などをたまに書きたくて、
その前にこんな話を思いついて書き始めたら
またいつものごとく長くなってしまった!!!

次回からは頑張っている娘の話をします(笑)

f:id:reviewand:20190325040350j:plain
私と娘のバイオリン



***


その後、続きを書きました。
bookand.hateblo.jp