絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★197「はじめはタマゴ」~この本の哲学の中に大人も入り込み、きっと心遊ばせる。総じてレベルの高い本。

はじめはタマゴ (児童図書館・絵本の部屋)

読み終えて、なんて素晴らしいんだと驚きました。
とてもシンプルです。複雑な描写は一切ありません。
でも、絵にも、物語にも、仕掛けにも、哲学を感じます。
ものすごい才能を感じざるを得ません。
レビューを書いている人もあまりいないのですが、いろんな方に読んでいただいて、感想を聞きたいなあ。

f:id:reviewand:20190514033516j:plain
「はじめはタマゴ」表紙


「この本の哲学の中に大人も入り込み、きっと心遊ばせる。総じてレベルの高い本。」

発想、題材、物語、絵、しかけ、哲学……どれも秀逸で作者のずば抜けた才能を感じます。たぶん天才。
大胆で力強い油彩のような絵と、穴の開いたしかけとともに、物語は進行していきます。

「はじめはタマゴ」卵の部分に穴が空いています。ページを開くと穴が黄色になり
「そしてニワトリ」。
オタマジャクシからカエル、種から花、毛虫からチョウチョ。

そしてそして「はじめはことば そしておはなし」。
「はじめはえのぐ」からの「絵になる。」では今までのニワトリやらカエルやら全員集合。
終わってループ。
終わることのない物語。
面白いなあ、不思議だなあ。きっと大人もこの世界に紛れ込んで心を遊ばせてしまうことでしょう。


2.情報

著者:ローラ・ヴァッカロ シーガー (著), Laura Vaccaro Seeger (原著), 久山 太市 (翻訳)
出版年月日:2014/5/1
出版社:評論社
ページ数:28ページ
おすすめ対象年齢:3~4歳から