絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

音楽の才能について考える2

先日書いた「音楽の才能について考える」の続きというか補足です。

bookand.hateblo.jp


FBに貼ったら思いのほか反響をいただきました。
これ書いていいのかなあ?大丈夫かなあ? と実はおそるおそるアップしたものでしたが、
共感してくださった人が結構多くて嬉しかったです。

そこで質問されたこととか補足とか。



〇音楽の最重要パートはリズムって本当ですか?

私はずっとクラシック畑だったので、「リズム」という一般的な言葉があまりピンとこなくて(文には書いていますが)、
「拍を正確に刻む能力」という意味ではなく(それももちろん必須ですが)クラシックだと「歌う」という感じ。
流れ、うねりを伴って歌うこと。それをざっくり「リズム」と言っていますがそんな感じです。
なので感覚的にはリズムは叩くものではなく、体を様々な波のようにうねらせる、かな。

何時間単位の大きな波と秒単位の小さな波。全ての波を操るのがプロの演奏家
リズム=波形=エネルギー って感じ。



〇「天才になりたい」といういびつな欲望、呪いについてはどう思いますか。語義的に矛盾しているけど言ってることはわかるやつ。

自分でこの記事は「慎重に書かなければ」というのはありました。そのくらい繊細で発火する恐れのある話。
で、その発火させる恐れのある人というのが「天才になりたい(でも売れない、周囲が認めてくれない)」というジレンマを持っている人そのものかな。
天才になることに興味がない人は、この記事を読んでも「へー」で終わる。

これに何か違和感とかムズムズとか言ってやりたいものがわいてきて人は、
「本当の天才(が、ちょっとこれ微妙に違うよと言いたい場合)」
「天才になりたい人(が、突きつけられて刺激されてしまう場合)」かなと。

「天才になりたい天才」は何も問題ないですよね。
「天才になりたい、でも持っているものは秀才程度」が悩ましい。
たまに「天才になりたい凡人」という大きな勘違いもいますが、危険なのでそれは見ても触れてはいけない。

「天才になりたい秀才」は惜しいんですよね。
本人も手に届きそうだと錯覚するところにいるからダラダラ天才に向けて努力し続けてしまう。
周りが言ってあげることが本当の優しさなのかなと思います。
昔は「天才になれるよ!」と励ましちゃう立場でしたが、それだとその人の人生を無駄にたり狂わてしまうことがあるのがわかりました。
(やたらと芸を褒めない理由はここからも由来するのです! 調子に乗せてしまうのも罪だと思い始めた)

でも親しい人、かつ、才をわかる人が、愛を持って「あなた違うよ。ちょっと目標を軌道修正しようか」と言っても受け入れられないのがほとんどです。
そしたらもう手を放して、本人が気づくまで待つしかないのかな。そうだよな。
高齢になってそのままの人もいれば、でも蓄積された努力分くらいは認められる場合もあります。
未来もそれぞれだからなんとも言えない。
この話は「こういう場合は」「こういう人の場合は」みたいにたくさん事例が口からあふれてきて止まらない話ですね。難しい!
人間らしい人生・お金・やりたいこと・肯定感、などなどがぐちゃくちゃに絡まった話です。
天才についてはまとめて言ったけど、天才になりたい人に関してはひとりひとり個別に考えてあげる必要があるのかな。

どのレベルの「天才」で話しているかというと、
300人以上のキャパのホールで3,000~4,000円ほどのチケット代でどの地方にツアーに行っても満席にしていたい。というレベル。
それを「天才になりたい秀才程度」が目指そうとしているなら、「演奏家ではなく先生になれば?」と修正してあげるくらい。
もちろん芸術自体をやめさせる気はないです。



〇…ということで芸術をやる人を安易に褒められなくなってしまった

本当に天才で本当に努力している芸術家しか褒められなくなってしまったのは、こういう悲しい(?)経験からなのです。
芸術に関する「褒め」が手厳しい。趣味の素人相手にも、比較対象が一流のプロである件。
あと下手に褒めて勘違いさせて人生狂わせたくない。
ごめんなさい……反省はしているのです。



〇音楽の天才と結婚するということは

音楽の天才は95%が幼少期から親と二人三脚で早期教育を受け、日々恐ろしいほどの努力をしてきています。
お母さんが先生であり、マネージャーであり、お母さん的なことも(家事など)やってくれる。
見ていると万能で努力家で完璧なお母さんが多いです。

結婚するとなるとその全てを受け持つことになります。
過去、人生で三人ほどの男性の天才(いずれもクラシック)に結婚観を聞いたことがありますが、
「自分の全ては音楽。音楽が一番。だから子どもはほしくない」
と言っていました。
(内一人は私の結婚した人ですが(笑))

たった3人なのでたまたまかもしれませんが、でもこれに近い人が多い感じはします…。
天才には憧れるだけにしておこう、家族になるにはベリーハードモードだよ、という話です。


***


これでこの話は本当に終わりです。
今度こそ娘の話をしたいと思います!

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娘0歳3か月の時。私のギターを見て「なんじゃこりゃ!」