絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★215「おとうさんがおとうさんになった日」~父親の嬉しさを知ることができて感動。背景まで考えると本当に素敵な家族!

おとうさんがおとうさんになった日 (絵本・こどものひろば)

これは感動。
お父さんになる気持ちってどんななのか、女の私にはわかりませんでした。
こんなに世界が輝いて見えてくれているなら…とても幸せです。
お父さんになる・なった男性へのプレゼントにもよさそう。

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「おとうさんがおとうさんになった日」表紙


「父親の嬉しさを知ることができて感動。背景まで考えると本当に素敵な家族!」

感動しました。
夫に「おとうさんになった気持ちは?」とか「いつから父親としての自覚が出た?」ということは聞いたことがありませんが、この本を読んだことで生まれた時のお父さんの震えるような感動が伝わってきて、自分と同じように夫もこんな気持ちを抱いていたんだなと嬉しくなりました。

お父さんになった日は、
おかあさんが眩しく見えた。
震えた。
いつもの景色が輝いて見えた。
くすぐったかった。
不思議な力が湧いてきた。

なーんだ、母親と同じじゃないか。お父さんがこんなにお父さんになることを喜んで、力に変えてくれているなんてとても嬉しい。
だから毎日子どもたちのために一生懸命働いてくれている。ありがとう世のお父さんたち。

そして本は実際、自宅出産をお父さんと上の子二人とおばあちゃんで見守る場面が、詳細に描かれている。
ドキドキし、にぎやかになり、つかの間の休憩でご飯を食べ、そしてついに布団の上で出産。
家族みんなで迎えた新しい家族。幸せな風景。
個人的には、出産は命がけで、大量出血などいざというときにやはり病院にいた方が安心だと思うので自宅出産はどうなんだろう…と思う派だけど、でもこの家族は、いつもの環境でリラックスして楽しみながら全員で新しい命を迎えようと決意してのことなんでしょう。上の子たちにも家族が増える喜び、あかちゃんの可愛さ、出産の大変さをきちんと見せて感じさせたかったんでしょう。
その証拠に上の子二人は病院か産院で産んでいる。
そんな背景も考えると、この家族は本当に素敵な信念や考えを持っている。
きちんと実感を持って描かれている素晴らしい絵本。


2.情報

著者:長野 ヒデ子
出版年月日:2002/5/10
出版社:童心社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳から