絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

なんでもありすぎるから選べない都会と、多様性からはほど遠い窮屈な田舎①

3歳の娘に「人がいっぱいで危ないから、ベービーカーで通ろう」と言っても
「歩きたい、手を繋いでいれば大丈夫でしょ。」と歩きたがるので、仕方なく注意深く歩くスクランブル交差点。
3歳から「渋谷が近い」っていう環境はすごいなあとしみじみ思う。
こんな育ち方をするとどんな大人になるのだろうか……というところが未知すぎる。

私は千葉の田舎生まれで(千葉の東と南への広さをなめてはいけません)、渋谷なんて、
高校生の時に友人とハンズ目当てで恐る恐る来たのが初めてだった気がする。
東京駅まで鈍行で3時間、高い特急で1時間半。
船橋に友人だけで遠出するデビュー?ですら、中三の春休みだった。

そんな何にもない、本当に田んぼと畑と海しかないような場所で育った身としては
赤ちゃんの頃から渋谷が身近という環境が、子どもにどんな影響を及ぼすのか、わからなすぎる。
想像もできない。
「ちょっとマルキュー行ってくるわ」とかさらっと出かけるのだろうか。
おしゃれにお金を使いまくるんじゃないだろうか。

いや、そんな親が考えるほどの影響は及ぼさないのかもしれない。
なにしろわからない。

***

東京にはなんでもある。
あらゆる流行が、文化が、教育が、医療が、人が、集まっている。

さあ子どもになにか習い事をさせたいぞ、という時に
なんでもありすぎることに困惑する。

「音楽をやらせたい」と漠然と一言いうだけでも、
ピアノ、バイオリン、ギター、チェロ、ドラム、歌、リトミック、ハープ、、、まだまだ知らないのもいっぱい出てくると思う。
これが田舎だとピアノかせいぜいヤマハの幼児教室くらいだ。
選ぶ余地もない。

「何か運動系も…」というだけでも、
体操、水泳、バレエ、新体操、チア、ダンス、サッカー、テニス、柔道、空手、レスリング、、、これも「なんだそれ!」というマニアックな知らないものとかたくさんありそう。
私の住んでいた田舎だと水泳一択だったかな。

あと田舎でできたのは、書道とそろばんくらい。
なんというシンプルさ。
英語教室、幼児の知育系教室なんてのもあるわけもない。
私のときは公文すらなかった。

この辺を考えると、田舎の「選択肢のなさ」ってシンプルでいいなあと思う。
親は何も考えなくていい。というか考える余地もない。
習い事はピアノ、書道、そろばん、水泳しかないからその中で。
小中学校に私立なんて存在しないから、決まった公立の学校へ。
高校も通える範囲の県立の進学校は2つくらいしかないので、どちらかへ。
内科はここかあそこしかない、大病院は一つだけ。

なーーーーんに考えなくていい。
それしかないから。
下手すると「それしか知らないから」。

ところが都会は探そうと思えばなんでもある。
「日本に唯一、もしくは数か所しか存在しない習い事」とか、わんさかありそう。

ピアノ教室を検索すると、30分以内でえる範囲に100くらいありそうな雰囲気。
七田式幼児教室的な教室もあまりに種類が多すぎて、どこがいいのかさっぱりわからない。
3つほど見学に行ったことがあったが、それぞれの違いもわからず、そのうち意義もわからなくなって選ぶことを放棄した。

「何のための習い事なのか」を見失ってしまう。
教育を受けさせることのできない難民ではなく、
選択肢が多すぎて混乱しわけがわからなくなってしまうという難民だ。

保育園のママ友たちも口々に「なにをさせようかわからなくて…」というが、
さっきの田舎だとたぶん悩まない。
ピアノ、書道、そろばん、水泳しかなくて、なんなら全部やってもいけそう。

都会で「週7日習い事で…」というのをネタかもしれないけれど聞くとき、
確かに親のお金と時間さえあれば際限なくできちゃうよね…とは思う。

でもそれって逆に不自由だよね、という話。
自由すぎて、考えなきゃいけない不自由。やらされる子どもの不自由。

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今回は都会サイドの「育児って大変だよね」でした。

二回目は田舎サイドの「大変だよね」です。

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スクランブル交差点を渡ってどこへ行ったのかというと、ちょっと用事があって写真を撮りに。こんな「ちょっとオサレな(スタジオ〇リスじゃない)スタジオまで写真を…」ってできるのも都会っぽいなあ。。



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続きの二回目
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