絵本と愛と子どもらと

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643「しんかんくんのクリスマス」~子どもを通して「自分の欲しいものは、あなたの欲しいもの。あなたが喜ぶことが一番嬉しい」とか言わせちゃう気持ち悪さ

しんかんくんのクリスマス

自分の子には絶対読ませたくない。この作者は子どもにどうなってほしいんだろう?
人の顔色をうかがって自分を押し殺すのが美しいと教えたいのだろうか。

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「しんかんくんのクリスマス」


「子どもを通して「自分の欲しいものは、あなたの欲しいもの。あなたが喜ぶことが一番嬉しい」とか言わせちゃう気持ち悪さ」

ずばり、子どもには(少なくとも自分の子どもには)絶対読ませたくない絵本です。
かんたろうがクリスマスに欲しいものは、「パパのほしいもの」「ママのほしいもの」「しんかんくんのほしいもの」だそうです。
自分の欲しいものは言わない。
誰かが喜ぶと僕が一番嬉しいんだもん、だからだそうです。

幼児を通してこんなことを言わせるのは気持ちが悪いとしか言いようがありません。
偽善の一言。
「あなたのためを思ってやったの…」「あなたが喜ぶと思って…」が、「自分がこうしたい」というストレートな欲求よりいかにねじれた深い闇か。憶測ですが、作者がこうしなさいといわれて育ったのか。何か闇があってこうして絵本にも表出してしまっているんだと思います。普通の発想じゃないですもん。

我が子には、自分の欲しいプレゼントをストレートに言える、明るいからっとした人間らしい人間になってもらいたいです。


2.情報

著者:のぶみ
出版年月日:2011/10/1
出版社:あかね書房
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:4歳から