絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★★570「まいごのどんぐり」~泣ける! 映画みたい。大好きな気持ちを持ち続ける心の美しさと実った時の最高の嬉しさが描かれる。

まいごのどんぐり (絵本・こどものひろば)

秋特集。
泣けます。泣ける本だなんて知らずに読んで、想定外にぽろぽろ泣いてしまった。
映画みたいによくできていて美しいお話。
絵がまたとんでもなくドラマチック!

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「まいごのどんぐり」表紙


「泣ける! 映画みたい。大好きな気持ちを持ち続ける心の美しさと実った時の最高の嬉しさが描かれる。」

想定外に涙してしまいました。思い出しても泣ける本です。
第32回児童文藝新人賞。
大好きな気持ちを持ち続ける心の美しさ、尊さ、それが実った時の最高の嬉しさが描かれています。
幸せで幸せで、嬉しくて、「良かった!」の涙がじわじわ出ます。

主人公はどんぐり。コウくんはどんぐりを拾ってくれた主。
コウくんはどんぐりに「ケーキ」と名前をつけました。
コウくんとケーキは一緒に遊ぶのが大好き。
かけっこに、投げたり。かたつむりをケーキに乗せたり。泳ぐ傍らに置いておいたり。
常に一緒。
でもある日、コウくんはケーキをなくしてしまいます。

雨のシーン、草原のシーン、森の中のシーン、どれも水彩のにじみを活かした鮮やかで美しい風景ですが、
特にケーキをなくしてしまった日の一面真っ赤な風景が忘れられません。
コウくんの心が泣いている。ケーキの心も。真っ赤に燃えて泣いている。

その後の長い月日の展開が、もう、たまらないですね。
映画みたい。素晴らしい心理描写。
「うれしいことです。うれしいことです。」という言葉がずっと心に残ります。
美しいことです。美しいことです。


2.情報

著者:松成 真理子
出版年月日:2002/9/15
出版社:童心社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3~4歳から