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466「うみぼうず」~海の怖さをこれでもかと見せつけてくる、怖い、怖い。津波のトラウマが残っている人にはおススメしない。

うみぼうず (おばけ話絵本)

おばけ特集。
「のっぺらぼう」に続き、怖すぎるトラウマ絵本。

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「うみぼうず」表紙


「海の怖さをこれでもかと見せつけてくる、怖い、怖い。津波のトラウマが残っている人にはおススメしない。」

同じシリーズの「のっぺらぼう」を読んで、勘弁してください!という恐怖に襲われましたが、こちらも読んでみました。
だめだ、やっぱり怖すぎる…!!!
でもこちらの方がお話として深いですね。

海の近くで育った私は、幼いころから「海に近づくな」「泳ぐな」「お盆には特に行くな」ときつく言われて育ちました。海沿いの子の方が海への警戒心は強いですよね…。そして安易に泳がない。
海坊主はおばけというより、天災や、その季節や地形に応じた潮の流れという気がします。
そういうものが出るんだぞ、海は怖いんだぞという教訓を人に植え付けるために人間が考えて生み出した架空の存在。そんな気がします。

大勢の海坊主に襲われるシーンは本当に恐怖です。
全体的に「黒」が「吸い込まれるような漆黒」で、それもあって自分まで波に叩きつけられているような気分になってきます。
3.11の恐怖がまだ心に残っている人にはあまりおススメできません。
逆に、何も知らない子どもに海の怖さを徹底的に教えるにはうってつけでしょう。


2.情報

著者:杉山亮 (著), 軽部武宏 (イラスト)
出版年月日:2011/2/2
出版社:ポプラ社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:4~5歳から