きをつけて1 (五味太郎 きをつけてシリーズ)
ぼーっと読むと気づきませんが、じっくり味わって読むと
これは擬人化ならぬ擬乗り物化した、子どもの成長とそれを見守る親心、子どもの心を描いています。
とても優しい気持ちになる三部作です。
「「きをつけて」それは親から子への、常に心にある愛のことば。」
うちの子どもたちが大好きな作品です。
ただの「小さいトラック」と「大きいトラック」の話ではありません。
私はここに人間の親子の愛や成長を見ます。
ちいさいのは最初はついてきます。
途中でちいさいのが抜かしたりします。でも心配なのは変わりません。
上り坂ではそっと支えて押してあげます。
トンネルで寝てしまったちいさいのをおぶって出てくるおおきいの。
きをつけて。親から子への、常に心にある愛のことば。
きをつけて2 (五味太郎 きをつけてシリーズ)
「飛行機に見せかけて子どもの成長と見守る親心を描く」
1に続き、これも「小さい飛行機」に見せかけて、子どもを描いているように見えます。
飛び立ち、その飛行行程で、気をつけてって言ってるのに煙に汚れ、気にぶつかり、山にぶつかり、トンネルでキレイになってまた飛び立つ。
このトンネルは見守る家、家族の象徴なのかな。
見守られながらまた汚しに行ってきます!
たくましく成長してね!
きをつけて3 (五味太郎 きをつけてシリーズ)
「1,2は親からの「気をつけて」でしたが、3では成長した子自らの他人に対する「気をつけて」」
1は幼い子をつきっきりで見守る親(トラック)、
2はちょっと成長して、どろんこなって遊ぶ子どもの姿、物理的にけがをしないように気をつけて(飛行機)、
そしてこの3はもう少し成長して、他人と心がぶつからないように気をつけて(船)という三部作です。
子が成長するにしたがって「気をつけて」の内容も変わっていきます。
人のことを邪魔しないように、ぶつからないように、驚かせないように、揺らしたりひっくりかえしたりしないように、みんないろいろ気をつけて。親からの「きをつけて」じゃなくて、自らが他人に「気をつけて」と話し、発するようになりました。
でもこんなにちゃんとしたように見えてもまだまだ子ども。
お父さんお母さんが一番恋しい、大好き。
でもでも心配ばかりしないで、という狭間にいる。
そして発する最後の言葉がなんとも言えなく可愛くて愛おしいです!