絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★116「14ひきのあさごはん」~温度が伝わってくる素晴らしい絵。絵と対峙するための本

14ひきのあさごはん (14ひきのシリーズ)

ロングセラー「14ひきシリーズ」のスタートは、これと「14ひきのひっこし」。
両方合わせて読みたいです。話がリンクするので。
愛される理由がよくわかる温かく繊細な絵。
ぜひ体験してみてください。

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「14ひきのあさごはん」表紙


「温度が伝わってくる素晴らしい絵。絵と対峙するための本」

第6回絵本にっぽん賞、〈よい絵本〉、国土緑化推進機構〈心にのこるミドリの本50選〉受賞のロングセラー作品。

まず緻密で繊細な線と、淡く温かみのある透明水彩による絵の素晴らしさに目を見張ります。
温度を感じるんですよね。
布団のぬくもり、火や湯気の熱さ、動物たちの体温、水の冷たさ、朝の森の空気のひんやり感。
それらが伝わってくるだけでもうすばらしい体験。
全体的に緑色が一番下に敷かれて、その上に対比するように置かれる赤色の美しいことよ。
火、いちご、服、布団、すべてのページでこの赤色が効いています。

文字は最低限に削られています。1ページに1行だけの少ない文字数。
でも絵が全てを語っています。本当に絵と対峙するための本という感じ。

家の構造がおもしろいなあと思って見ていたら、表の表紙裏に家の断面図が、裏の表紙裏には家のある木とその周辺の森の俯瞰図が丁寧な線画で描かれていました。素敵!


2.情報

著者:いわむら かずお
出版年月日:1983/7/10
出版社:童心社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳から