うみの100かいだてのいえ
シリーズ3弾。
海の深くに沈んでいくその先にあるものとは?
「海を深く潜っていくことが人生に重なる。その先にあったのは優しさや素敵な変化。」
「100かいだてのいえ」シリーズ第3弾は海に深く深く潜っていきます。
これまでの作品の中で一番好きです。
女の子が船の上からテンちゃんという人形を落としてしまいます。
女の子が気に入っていたテンちゃんの身に付けていたものが、泡の中に吸い込まれていきます。
テンちゃんは無事それらを見つけられるのでしょうか?
1階からはラッコ、11からはイルカ、21からはヒトデ、31からはタコ、41からはタツノオトシゴ、51からはウツボ、61からはクラゲ、71からはカニ、81からはチョウチンアンコウ、91からはヤドカリ。
それぞれの階で、自分の持ち物とその生き物の持ち物を交換して身に付けていくテンちゃん。
最初の昆布の髪は不安になりましたが、徐々に、最初の姿より魅力的になっていく気がしました。
徐々にテンちゃんも笑顔になっていきます。優しさも増していくようです。クラゲくらいからは、自ら積極的にノリノリで交換していきます。
ラストの水面に向かって生きものたちが昇っていくさまは、崖の上のポニョを彷彿とさせる雄大さです。
姿が変わったテンちゃん受け取った女の子の言葉も非常に含蓄があります。
海を深く深く潜っていくことが、人生を深く奥へ進んでいくことと重なります。
その先にあったのは、心の広さ、優しさ、素晴らしい変化でした。
2.情報
著者:岩井 俊雄
出版年月日:2014/6/27
出版社:偕成社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3~4歳から