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目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★441「くじらのうた」~このクジラは自然であり、地球そのものであり、人間の友達である。深く読み解きたい一冊

くじらのうた

海をテーマにした絵本は哲学的なものが多いように感じます。

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「くじらのうた」表紙


「このクジラは自然であり、地球そのものであり、人間の友達である。深く読み解きたい一冊」

壮大な作品です。
くじらが街に乗り上げた…そこで思考停止してはいけません。
突然現れたこのくじらは天災のシンボルなのかもしれないし、
動かない=どうにもならないもののシンボルかもしれないし、
でも最後には街を救ってくれる幸福のシンボルかもしれません。
天災と幸福が一緒とはどういうことか…?

このクジラはもっともっと大きなもののシンボルなのです、きっと。
地球そのものとか、自然全体とか。
突拍子もなく人間の生活を破壊しにやってくるけれど、幸福や恩恵ももたらす。
悪意はなく、人間と共生していきたいと、その幸福を願っている。

表紙で、このクジラの口から女の子が出てきているように、もしかしたら人類のお母さんかもしれませんね。



2.情報

著者:デイヴィッド ルーカス (著),なかがわ ちひろ (翻訳)
出版年月日:2007/3/1
出版社: 偕成社
ページ数:28ページ
おすすめ対象年齢:4歳から