くじらのうた
海をテーマにした絵本は哲学的なものが多いように感じます。
「このクジラは自然であり、地球そのものであり、人間の友達である。深く読み解きたい一冊」
壮大な作品です。
くじらが街に乗り上げた…そこで思考停止してはいけません。
突然現れたこのくじらは天災のシンボルなのかもしれないし、
動かない=どうにもならないもののシンボルかもしれないし、
でも最後には街を救ってくれる幸福のシンボルかもしれません。
天災と幸福が一緒とはどういうことか…?
このクジラはもっともっと大きなもののシンボルなのです、きっと。
地球そのものとか、自然全体とか。
突拍子もなく人間の生活を破壊しにやってくるけれど、幸福や恩恵ももたらす。
悪意はなく、人間と共生していきたいと、その幸福を願っている。
表紙で、このクジラの口から女の子が出てきているように、もしかしたら人類のお母さんかもしれませんね。