絵本と愛と子どもらと

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299「あめふりうさぎ」~子どもの残酷で怖い部分を正直に描いていることに好感を持つ

あめふりうさぎ (新日本出版社の絵本 ふれあいシリーズ 1)

「雨」特集。
せなけいこさんの描く雨です。
子どもって残酷で恐ろしいことを平気で言いますよね。そんな側面を素直に描いてもいいと思うんです。そんな作品。

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「あめふりうさぎ」表紙


「子どもの残酷で怖い部分を正直に描いていることに好感を持つ」

賛否両論あるようですが、私は単純にかわいいお話で好きです。
確かに子どもの残酷さ、良い面悪い面がどーんと出てくるので「この子たちえげつないなあ…」とびっくりもしますが、まあそれが子どもだよねと思います。

雨の日にうまれたうさぎの子は、泣くと雨が降ってしまう。
泣いて、雨が降って、それによってブランコに乗れたりお母さんがかえってきてくれたうさぎの子は嬉しそう。
もしかしてこの子は雨をコントロールしているんじゃないか説!
雨が降るとみんなが嫌がることをわかってやっていそう。

そして問題の遠足のシーン。
みんなが来て「明日は泣くな、迷惑だぞ」と言い寄る。まあ子どもはこんなもんですよね。子どもは酷いことを平気で言います。簡単に人をいじめます。残酷です。ありのままに描いたことを、私は好意的に受けました。
そして晴れたら「あの子我慢してくれたんだね」「ありがとう」とおみやげをいっぱい持ってくる。
そうそう、これが子どもですよ。
私はすごく好きです。


2.情報

著者:せな けいこ
出版年月日:1981/11/25
出版社:新日本出版社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:2~3歳から