絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★421「さかなってなにさ」~同じものでも、見る人・感じる人が違えばこんなに印象は違うものなのか!と思い知らされる。

さかなってなにさ (こどものくに傑作絵本)

百聞は一見に如かず。灯台下暗し。隣の芝生は青く見える。
様々な教訓が含まれる本です。

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「さかなってなにさ」表紙


「同じものでも、見る人・感じる人が違えばこんなに印象は違うものなのか!と思い知らされる。」

毎日クローバーばかり食べてたまには他の美味しいものも食べてみたい!といううさぎに
猫が「魚の方がずっとおいしいぜ」と教えてくれます。

魚とは一体何なのか!?
うさぎの探偵・推理が始まります。
うさぎの脳内にあるのはニンジンだけ。ニンジンベースにしか考えられません。

ミミズ、カエル、牛、ねずみ、スズメ、鴨、それぞれに「魚とはどんなものか」を聞き出しますが、証言は見事にバラバラ!
見る人・感じる人が違えば、同じ生き物もこんなに違って語られるんですね…。
人間も同じだよなと思ってちょっと怖くなったというか、ドキドキしました。
自分もこんなに色んな風に見られているのかなとか。

それぞれの証言からイメージする魚の図が、やっぱりどれもニンジンから離れられてなくて笑えます。
どうしてもニンジンっぽい形で、葉っぱが取れないのよねえ…。

海に潜って実物を見て、納得のうさぎ。
百聞は一見に如かず。
そしてやっぱりいつも食べてるクローバーの方がいいということにも気づくうさぎ。灯台下暗し。隣の芝生は青く見える。
いろんな教訓が含まれている一冊。


2.情報

著者:せな けいこ
出版年月日:1976/7
出版社: 金の星社
ページ数:24ページ
おすすめ対象年齢:2~3歳から