絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★163「おへそのあな」~赤ちゃんの誕生を待ちわびる家族と、同じく外の世界へ出ることを待ちわびる赤ちゃんの、最高に幸せな時。

おへそのあな

妊娠中、遠距離恋愛のように
会える日を待ち焦がれて、切なさに押しつぶされそうになりながらも
期待と喜びに満ち溢れていた日々を思い出しました。
そしてお腹の中の赤ちゃんも、この本のように、外の世界へ出ることを楽しみにしていたのかなあと思うと
すごく愛しくて泣けてきます。
3歳の娘も大好きな本です。

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「おへそのあな」表紙


「赤ちゃんの誕生を待ちわびる家族と、同じく外の世界へ出ることを待ちわびる赤ちゃんの、最高に幸せな時。」

赤ちゃんが生まれてくるのを待ちわび、喜び、わくわくする本は数あれど、
赤ちゃんがお腹の中で、外の世界へ飛び出していく喜びを描いたものはほとんど見たことがない気がします。

赤ちゃんがおへそのあなから見ています。
赤ちゃんのために楽しそうに準備をするお兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さん、お母さん、おじいちゃんおばあちゃんの姿を。
見えなくても匂いや音を感じます。
家族のみんなが本当に幸せそうにその時を待っていることを。
自分のために一生懸命色々考えて用意してくれていることを。

そして家族だけではありません。
あなたを待っている美しい自然たち、美しい地球の世界を感じています。

「おいでおいで うまれておいで」という声が聞こえる。
幸せそうな赤ちゃん。愛されながら、喜ばれながら生まれていくことを知っています。
そして象徴的な満月とともに「あしたうまれていくからね」とみんなに聞こえないようにおへその穴から言います。

幸せに溢れた絵本です。泣きそうになります。
妊娠中、まるで遠距離恋愛のように「会いたい会いたい」と恋しさを募らせていたのを鮮明に思い出しました。
そして会えた時の嬉しさ。人生で一番の嬉しさでした。

3歳の娘も喜んでこの本を読んでと言います。自分もこうして愛されていたことを思い出して、幸せに浸っているのかもしれません。


2.情報

著者:長谷川 義史
出版年月日:2006/9/1
出版社:BL出版
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:2~3歳から