絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★342「せんたくかあちゃん」~これぞ「子どもの想像力や感覚をかきたてる絵本」

せんたくかあちゃん (こどものとも傑作集)

洗濯特集。
傑作です、せんたくかあちゃん
読み聞かせ会などでも間違いのない作品。子どもたちが夢中になります。

f:id:reviewand:20190718151017j:plain
「せんたくかあちゃん」表紙


「これぞ「子どもの想像力や感覚をかきたてる絵本」」

傑作。幼いころに読んだことも忘れていないですし、大人になった今読んでも、本当に面白い要素が詰まっています。
私はさとうわきこさんの「ばばばあちゃん」シリーズが苦手です(笑)
でも性格的に結構似ている(豪快さとか)せんたくかあちゃんは大好き。
一体何が違うんだろうと今回よく読んで考えてみました。

まず表情が、せんたくかあちゃんは優しく、ばばばあちゃんはたいてい怒っている、気が強そうな顔。
そしてせんたくかあちゃんには愛がある。味方も敵もみんな愛で包み込む。
ばばばあちゃんにも作品によって愛情を感じるんですが、でも他人への愛が基本的にあまり感じられない。
せんたくかあちゃんは丁寧な仕事。ばばばあちゃんは雑で乱暴な仕事。
こんなところでしょうか。
作者はどちらも差異なく描いているのかもしれませんが、細かいところから色々感じ取ってしまいます。
まあこれはとにかく傑作。

大量の洗濯物から感じられる人の匂い、洗濯板で洗う水と泡のの感触、「とまれ!」でみんな思わず止まってしまう描写、大量に干された洗濯物からあふれる夢、雷様を洗ってしまう爽快感、雷様のかわいい顔と心底嬉しいんだろうなという気持ち、見開きいっぱいの雷様たち…。
ページをめくるたびに「素晴らしい!」と言ってしまいます。

これぞ「子どもの想像力や感覚をかきたてる絵本」。

2.情報

著者:さとう わきこ
出版年月日:1982/8/31
出版社:福音館書店
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳から