絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★★祝600冊「葉っぱのフレディ―いのちの旅」~いつか大切な人を亡くす時、自分が死に直面した時、この本が魂を救ってくれる気がします。

葉っぱのフレディ―いのちの旅

秋~冬特集。
言わずと知れたベストセラー。「死」=「引っ越し」という言葉が魂を救ってくれます。

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「葉っぱのフレディ―いのちの旅」表紙


「いつか大切な人を亡くす時、自分が死に直面した時、この本が魂を救ってくれる気がします。」

いつか自分が迫りくる死に直面したとき、大切な人を亡くした時、子どもが死について考え始めたとき、
家に置いておいていつでも読みたい・読んであげたい一冊だと感じました。
非常に短くてシンプルな物語の中に「生きる意味」「死ぬ意味」「輪廻」「世界の循環」が描かれています。

人の役に立ちながら、自分の生に満足し心地よく生きてきたフレディ。夢のように楽しい時間でした。
でもそれも終わり、冬が訪れます。
引っ越し=死が待っています。

この、死を「引っ越し」という表現で表す感性が素晴らしいです。
まったく同じ姿と心ではなくなるけれど、引っ越して溶けて変化してまた世界に違う形で融合する。また世界の一部になる。

「”いのち”は土や木や根の中の目には見えないところで新しい葉っぱを生み出そうと準備をしています。大自然の設計図は寸分の狂いもなく”いのち”を変化させつづけているのです。」
というラストの一行にすべてが凝縮されています。
これを本当に心から実感できるのは、誰かを亡くしたその先なのか。
それとも自分が死んだ先なのか。
遠い未来にしても、この本を読んだ「こころ」を持って死ねるということはとても穏やかな良い体験だったときっとその時思うのでしょう。

2.情報

著者:レオ バスカーリア (著), みらい なな (翻訳)
出版年月日:1998/10/1
出版社:童話屋
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:6~7歳から