絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

528「とんぼの うんどうかい」~ついついノスタルジーに浸ってしまう、トンボでいっぱいの昔の秋空。頑張れトンボたち!

とんぼの うんどうかい (かこさとし おはなしのほん( 2))

スポーツ・運動会特集。
昭和、夕方、川崎の川の土手…という光景を思い浮かべながら読むと、雰囲気に浸れます。

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「とんぼの うんどうかい」表紙


「ついついノスタルジーに浸ってしまう、トンボでいっぱいの昔の秋空。頑張れトンボたち!」

加古さんが川崎にいらしたとき、子どもに川の土手で読み聞かせするために作った紙芝居が、この作品の元だそうです。
その光景を思い浮かべながら読むと、ノスタルジーに浸って時間がゆっくり流れていくようです。
この絵本の夕日のように、心の中の空がオレンジや紫に染まっていくのを感じます。

前半はとんぼの運動会です。かけっこ、鈴割り、綱引き。賑やかで楽しくて、絵はひたすらトンボと空なのでかなり地味ですが、言葉の情報だけで応援の声がリアルに聞こえてきます。

後半はその帰り道、ギャングコウモリをみんなで力を合わせてやっつけるお話。
昼間の運動会の競技をヒントに、工夫してコウモリを木にぐるぐる巻きにします。
全部合わせてトンボの運動会のお話です。

トンボでいっぱいだった昔の秋の空。懐かしいですね…。

2.情報

著者:加古 里子
出版年月日:1972/12
出版社:偕成社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:5歳から