とんぼの うんどうかい (かこさとし おはなしのほん( 2))
スポーツ・運動会特集。
昭和、夕方、川崎の川の土手…という光景を思い浮かべながら読むと、雰囲気に浸れます。
「ついついノスタルジーに浸ってしまう、トンボでいっぱいの昔の秋空。頑張れトンボたち!」
加古さんが川崎にいらしたとき、子どもに川の土手で読み聞かせするために作った紙芝居が、この作品の元だそうです。
その光景を思い浮かべながら読むと、ノスタルジーに浸って時間がゆっくり流れていくようです。
この絵本の夕日のように、心の中の空がオレンジや紫に染まっていくのを感じます。
前半はとんぼの運動会です。かけっこ、鈴割り、綱引き。賑やかで楽しくて、絵はひたすらトンボと空なのでかなり地味ですが、言葉の情報だけで応援の声がリアルに聞こえてきます。
後半はその帰り道、ギャングコウモリをみんなで力を合わせてやっつけるお話。
昼間の運動会の競技をヒントに、工夫してコウモリを木にぐるぐる巻きにします。
全部合わせてトンボの運動会のお話です。
トンボでいっぱいだった昔の秋の空。懐かしいですね…。
2.情報
著者:加古 里子
出版年月日:1972/12
出版社:偕成社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:5歳から