絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★25「おにはうち!(ピーマン村の絵本たち)」~節分を題材にした道徳の勉強。差別やいじめを考える。

おにはうち!

節分の本をまだまだ紹介します。
なぜか節分の本に佳作が多いのはなぜ…?
節分というか、鬼を題材にした絵本全般に多い。
「鬼=悪」のイメージだけど、本当に悪いものなの? 本質を知っているの? 自分で確かめてみた?
本当は優しいかもよ……というあたりがポイントっぽいです。


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「おにはうち!」表紙


「節分を題材にした道徳の勉強。差別やいじめを考える。」

におくん(鬼)のこれまでの人生(鬼生)の辛さが、根拠のない差別やいじめに苦しむ人に重なります。
「自分は人から嫌われている、邪魔な存在だ、だから友だちもできないし一緒に遊んでは行けない…」
そうやって自分を責めながら生きているのは辛いことです。

におくんは自分からは「仲間に入れて」と言えずに、遠くから子どもたちを見ているだけ。
本当は一緒に遊びたかった。
だから子供と先生が誘ってくれた時、とても嬉しかったはず。
園長先生が「におくんはいのちの恩人です」と言って抱きしめたとき、今まで感じたことのない幸せを感じたはず。
そう思うと泣きそうになります。

豆まきの時間になり、先生が節分の豆まきの由来をお話します。
「むかしの人はよくないことが起きるとそれを鬼のせいにしたの。」
子どもにわかりやすく豆まきの理由の説明もできる良本です。

園長先生がここでも「いい鬼はーうち!」と素晴らしいことを言います。
子どもたちが考えるきっかけになるでしょう。いい鬼っているの? どんな? 私たちはいい鬼とどう接すればいいの?
節分を題材にした道徳の勉強になります。

2.情報

著者:中川 ひろたか (著), 村上 康成 (イラスト)
出版年月日:2000/11/10
出版社: 童心社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳から