絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

629「きのこほいくえん」~サイコパス感あふれる、トラウマになりそうな一冊。こわい。

きのこほいくえん (講談社の創作絵本)

絵本というジャンルが大好きなので絵本というだけで全体的に評価はかさ上げされているのですが、
のぶみさんのだけはちょっと無理なんだなあ。
ぞっとしてしまった。

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「きのこほいくえん」表紙


サイコパス感あふれる、トラウマになりそうな一冊。こわい。」

1年前に読んで、「最悪」と思いそっと閉じ、
その後自分の中で印象が変わっただろうか?と久しぶりに読んだらやっぱり作者の精神を疑ってしまいました。
他の方がみんな★5なので自分がおかしいんだろうか…。モヤモヤが止まりません。

ここはいろんなきのこが通う幼稚園です。
主人公のてんてんちゃんは赤い傘のきのこで、みんなのアイドル。(幼稚園でみんなのアイドルってのもなんだか薄気味悪さを感じますが…)
最初は図鑑みたいで、いろんなきのこを知ることができて楽しいなと思って読んでいました。
ところが、きのこ図鑑で自分たちが一体どんなきのこなのかを調べてみたところ、てんてんちゃんはベニテングタケという毒キノコ。
急に誰も近づかなくなりました…って、幼稚園児を「アイドル」って言ったり、差別していじめる描写をしたり、酷くないだろうか…。ものすごく嫌な気分になる。
子どもは残酷な生き物ではあるけれど、てんてんちゃんが「消えちゃいたくなりました」って死にたいってこと? 幼稚園児をそこまで追い詰めて自己肯定感ゼロにする描写ってありなんでしょうか。思春期向けの本ならわかるけど、幼児向け絵本なのに。

そしてキツネが現れててんてんちゃんがとった行動は「どくきのこのあたしを食べろー!」。
私なんていらない存在だし、毒だし、敵と一緒に自爆しますということ。
ラストの一言もかなりのサイコパスです。「あたし、どくきのこで、よかった。」
いや、絶対思ってない。瀕死の幼児だからね。いいお話に仕立て上げようとしている大人が言わせてる台詞です。

こわい…。すごくこわい。


2.情報

著者:のぶみ
出版年月日:2014/9/11
出版社:講談社
ページ数:36ページ
おすすめ対象年齢:5歳から