ふたごのどんぐり (えほんのもり)
秋特集。
街はずれの公園にある立派なふたごのかしの木になるまでのお話。自然は雄大、壮大、偉大。
「ふたごのどんぐりが何百年の年月を経て、立派なふたごのかしの木になるまでの壮大な物語。」
素朴で柔らかい昔話のような絵が、それだけでグッときます。
街はずれの公園にある「ふたごのかしの木」が生まれるまでのお話です。
時はこの木のお母さんまで遡ります。
母さんにはたくさんのどんぐりがなりました。ふたごのどんぐりはその中の一つです。
旅立つのが嫌な子どもたちをよそに、母さんが言います。「お前たちは私から離れて立派なかしの木になるのです」「さあ、行きなさい!」
母さんの強さと覚悟と隠れた寂しさも感じます。
ふたごのどんぐりは、うさぎやカラスに食べられそうになりながらも、なんとか生き延びます。
そして3年、10年、100年、200年…気が遠くなるような時を経て、大きく育ったふたごのかしの木はなんと立派なことでしょう。その長い年月を思うと、人間がちっぽけに思えます。自然は偉大。
愛らしさの中に壮大さ・雄大さを秘めた、堂々とした一冊。豊かな気持ちになりました。
2.情報
著者:上野 与志 (著), いしい つとむ (イラスト)
出版年月日:2014/8/30
出版社:文研出版
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3~4歳から