木を植えた男
黙々と種を植えていくという地道な継続・努力に圧倒されます。
考える暇もなくひたすらに手を動かす。その先の実りに大切なものを教わります。
「継続は力なり、千里の道も一歩より、ということを実感を持って教えてくれる。神業ともいえる偉業の物語。」
1987アカデミー賞短編映画賞受賞した同名の短編映画を、絵本として新たに描き起こしたもの。
映画の良さがそのまま伝わるかというとそれは難しいのですが、でもこの壮大なストーリーを知る程度でも十分素晴らしい体験になると思います。
フランスの山岳地帯にただ一人とどまり、荒れはてた地を緑の森によみがえらせたエルゼアール・ブフィエの半生を描きます。
1913年から、ブフィエ氏が亡くなる1947年までのお話。
戦争、流行りの病などで苦しむ世の中。
過去に息子と妻を失い、孤独な世界に引きこもり、「世の中のためになることがしたい」と不毛の地に種を植え始めたブフィエ氏。
何キロにもわたり、何万個もの種を植えていく。
なんという気の遠くなる仕事であろうか。悟りの境地にいるとしか思えない。
人間の能力を超えた、神業ともいえる努力と信念と我慢。
これによってできた森のおかげで、山などの自然と人々は生気を取り戻した。
一人の男性の捨て身の努力の継続が、命や地球を救ったのだ。
最初からここまでの偉人になれとは言わない。でも継続は力なり、千里の道も一歩より、ということを実感を持って教えてくれる。子どもの道徳にも素晴らしい本だと思うし、大人が読んでも感動する。
文字数も漢字も多いので、小学校中高年~大人向けの絵本でしょう。