※これは私が以前書いていた2017年1月のamebloの記事を、そっくりそのままお引越し(コピペ)したものです。
最終回は幸せってなんだろうというお話。沁みる。
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2017-01-12
IQ168(※2017年当時)の天才へのインタビュー、最終回です。
今回は、実際どんな子育てをしているのか、そしてIQと人生の幸福度に相関はあるのか、という興味深いお話しです。
子どもの知能指数を上げたい!
…というのはわかりますが、
「それはなぜですか?」
「それで子どもの幸せが保証されるとおもっていますか?」
「IQが高いことによるマイナス面も知っていますか?覚悟できていますか?」
と問われたら、みなさん答えられますか。
これを機に考えてみませんか。
①と②
bookand.hateblo.jp
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【幸田直樹さんへのインタビュー3】
〜IQってなあに?30万人に1人の天才はどんな子供時代を過ごしたの?〜
──そろそろ幸田さんの実際の子育てについてお話しを聞いてみたいと思います。
お子さんの年齢と、どのような性質や特性を持った子か、簡単に教えてください。
長男が7歳、次男が4歳です。
長男は私にそっくりでいつも創意工夫に取り組んでいます。
次男はとてもかわいいです。記憶力がよいですね。
──二人は幼稚園or保育園、何か特別な習い事や教育手法を用いた、などどのような方針で子育てしているのでしょう。
私は自分の子供について、大学生のころから「このように育てたい、そのためには自分は今こういったことにチャレンジすべきだ」と色々考えて生きてきました。
今行っていることのほとんどは大学生時代に考えたことです。
息子の教育のために家庭教師を8年間やりました(教え上手になるためです)。
長男は2年保育が良かったのですが、下の子のからみで2年半保育になりました。次男は2年保育でいけそうです。
まだ習い事はしていません。
家で工作をやったりできる環境を常にキープするためにわざと若干片づけない(ちらかりっぱなし)感じにしてあります。
本当は将棋をやってほしかったので3歳から教えていたのですが、6歳になって教室に通わせようとしたところ、負けを嫌がるので挫折しました。どこかで再度興味をもってもらえないものかと機会を伺っています。
今は算数を一緒にやっていまして、2カ月で小学校二年生終了レベルには達した様子でしたので算数検定を受けさせました。
算数はほとんど私が教えているんですよ。
──完全に家庭内で教育担当されてる素晴らしいお父さんですね。一家に一人欲しいです…。
算数を早く理解しているとのこと、ギフテッドの兆候は見られましたか。
長男6歳に掛け算を教えてみる。
※すべて運転中の口頭でのやりとりです。
パパ(私)「2×3=?」
息子「どういうこと?」
パパ「2個のものが3セットあるってこと」
息子「うーんと6っ!4+2だから!」
パパ「偉い!じゃあ2×5=?あ、ちょっとむずかしいかな?」
息子「10」
パパ「え!? なんでわかったの?」
息子「5+5だから・・・」
パパ(やばい・・・というか怖ええよ)
5×2なら理解できなくも無いが、2×5が5×2と一緒と一瞬で考えて、自分ができる足し算に直して5+5とか・・・
ほんの数秒で掛け算を理解する息子。どうしよう・・・
といったことがありました。
その後特に教えず、2カ月前くらいから算数検定に向けて勉強し始めました。
難しいものや新しい知識にはものすごい興味を見せる一方、掛け算の暗記や単純な計算は嫌がります。
ですので7の段は言えないのに分数の掛け算、引き算、通分、約分は理解しています。アンバランスです。新しい概念を教えるとすぐに理解してできるのですが、暗記という単純作業に興味を示さないあたりはギフテッドぽい感じです。
──おお…それはかなりきてますね!
幸田さんのような特殊能力を持っていない、ごく平均的な親でもわかりやすく、子どもにギフテッド傾向があるか無いか見極める方法はありますか。ここを観察すれば良いなど。
そうですね。ここがラインでここからがギフテッド、というようなものではないと思いますが、私自身は初めてウィキペディアでギフテッドを調べた時、当てはまりすぎて泣きそうになりました。
自分の長年の病気に病名が付いたような、自分だけじゃなかったんだという気持ちです。
ですのでウィキペディアの内容は非常に重要だと思います。
ただの性質とギフテッドをわけるのに重要なポイントは、
・異常なほどの好奇心
・常識外れでも問題解決に向かうアイディア
・感情、主張の強さ
だと思います。
──我が子がまさにそのポイントをクリアしてる!とわかった時、親はそこからどうする必要があると考えますか。
その子に対する考え方、行動、導き方など。
苦痛を取り除くことに注力する必要があるように思います。
そういった子供が一番苦痛を感じるのは「繰り返し」と「退屈」です。
ですので強制して何かを繰り返しやらせることは拷問に等しいため、可能な限り減らしてあげるべきです。
しかし、社会生活を営む以上、ある程度はしかたないと考えながらバランスよくやっていくしかないようにも思います。
バランスよくといっても、最低限の社会生活を営むためのものであって、バランスのよい人間に育ててしまってはいけないとも思います。
集中して取り組んでいることはどんどん伸ばして、突出した人間に育てることが本人のためにも、人類のためにも良いことだと思います。
ですので、片付けや、躾で厳しく𠮟りすぎるよりは、その子がやりたいことをやれる状況を優先した方がいいと思います。
なんでも好きにやらせるというわけではなく、その辺はバランスが難しいところだと思います。
──バランスは難しいですよね。
幸田さんご自身はバランス良く大人になれたと感じていますか。
今はどのようかご職業に就いていて、幸福感は感じていますか?
バランスはそこそこ悪いですね。
でももっと何かに特化していた方がよかったかもしれないと思うことはあります。
現在は公益財団法人に勤務しています。好きな仕事で満足しています。
ほぼ定時に帰ってまして(代表理事賞を2年連続※うち一回MVP、特許も取得しましたので、早く帰っても白い目ではみられていないと思います)、家に帰ってからも自分の生活をエンジョイできています。
──もっと何かに突き抜けていた方が良かったですか! もう十分すぎるほど個性的だと思いますが(笑)
ではそろそろ一番知りたいことを。
IQの高さは幸福感を左右するものだと感じますか。
他にも左右する要素があるなら何ですか。
IQとの比率は?
IQと幸福は全く関係ないと思います。
幸福感にとってもっとも重要なのは「自己愛」だと思います。
自己を愛せない人は他者も愛せないと思います。
「実存の自己」という存在にとって最も身近な自身の肉体と魂、そして自身の魂の座である脳を愛することが、幸福の始まりだと考えます。
マズローの段階欲求説を例に出すまでもなく、必要な要素というのは沢山あると思いますが、現在、大多数の人が暮らしている環境においては必要なことだと思います。
IQ:自己愛=0:10 だと思います。
IQが高い?だからなんやねん?とも自分では思っています。ただのちょっとした特徴というか、別に偉くもなんともないですからねぇ。幸福であるということの方が遥かに素晴らしいです。
──それは、「我が子の知能を高くしなきゃ!」と、かなり必死な我々・大多数の親にとって衝撃的です。
最後に、「他の子と比べてしまう」「他の子が習い事などやっていると焦る」「良い学校に行ってもらわねば」…こんな呪縛に苦しんでしまう現代の親たちに、一番伝えたいことを教えてください。
子供が大きくなってから、「人生における選択肢の少なさ」を前に途方に暮れる、というのは親としても不本意だと思います。ですのである程度良い学校へというのは理解できます。
しかし、それが目的になってはいけないと思います。
のびのびと育ってさえいれば、人生を楽しんで暮らしていけますから。
「人生を楽しめる子に育てる」という部分はブレてはいけないように思います。
──のびのびと育ってさえいれば。
気持ちがすっと軽くなりました。
IQの話から始まり、幸福論、人生観まで広くお話しを聞くことができて色々と突き刺さりました。ありがとうございました。(おしまい)
この記事を全部書き終えたあと、幸田さんが「漢検一級1発合格のことをどこかで自慢すればよかった!!」と後悔していたので、
ここでこうして記しておきます(笑)
すごいよ漢検一級!!
本物の天才のお話し、いかがでしたか。
私はお話しを聞きながら興奮しっぱなしでした。
普段の生活で、なかなかここまですごい人の生の声は聞けないですよね。。。
今後もMENSA会員へのインタビュー記事を、たまに書く予定でいます。
子育て・教育に関する話題で。
これからもよろしくお願い致します。
(ここまで当時の記事をコピー)