絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★★532「どろぼう がっこう」~人の良い泥棒たち。愛さずにはいられません。

どろぼう がっこう (かこさとし おはなしのほん(4))

スポーツ・運動会特集。
この絵本、かけっこなのに走ってないんですよね…。

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「どろぼう がっこう」表紙


「人の良い泥棒たち。愛さずにはいられません。」

加古さん1973年のときの作品です。論文の裏に書いた紙芝居がもとになったそうです。
最初から最後までニヤニヤしっぱなしです。
「子どもに泥棒の絵本なんて」と言わずに読み聞かせてみてください。
うちの4歳が通う保育園のクラスでも「逮捕だー」「犯人だー」という言葉がタイムリーに流行っています。
子どもの発想とか楽しいものは、自由でいいと思います。
泥棒の本を読んだから将来泥棒になるわけではありません。いつの時代も、泥棒、警察、そんなのを題材にしたエンタメで世の中は溢れています。人間の本能的に楽しいんでしょう。

どろぼうがっこうの校長先生は、くまさかとらえもん先生。大泥棒の熊坂長範をモデルにしているのかな。
生徒たちもかなりクセのありそうな見た目。

でもまだまだ経験値のない生徒なんだなあ。
宿題に盗みの課題を出したら、家の靴を持ってくる者、アリの卵を持ってくる者、先生の持ち物を盗む者、学校の黒板を盗む者。みんな0点です。

でも怒ったあとに気分転換が早い、カラッとした明るい先生!
明日は遠足。持ち物は、ねじ回しと出刃包丁(笑)
出刃包丁は子どもに説明するのが難しいなあ。そして物騒なものだけどこの人の良さそうな泥棒たちは包丁で人を刺したりしないのでご安心を。脅しのための飾りです。
遠足のラストで彼らがどうなるかはお楽しみです。

人の良い泥棒たち。愛さずにはいられません。

2.情報

著者:加古 里子
出版年月日:1973/3
出版社:偕成社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:4~5歳から