絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★496「おじいさんならできる」~孫に受け継がれる、おじいさんの物を大切にする精神と創造性。ねずみ一家の物語も同時並行で面白い。

おじいさんならできる (世界傑作絵本シリーズ)

敬老の日」おじちゃん・おばあちゃん・祖父母特集。
人間家族とねずみ家族の物語を同時並行で見るとおもしろい。

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「おじいさんならできる」表紙


「孫に受け継がれる、おじいさんの物を大切にする精神と創造性。ねずみ一家の物語も同時並行で面白い。」

物を大切にする心、何かを作り出す創造性が描かれています。
ヨゼフが赤ちゃんの時、おじいさんが星と月の柄の素敵なブランケットを縫ってくれました。
でも月日が経ち、古く汚れてくると、今度はおじいさんがハサミでチョキチョキ、針でちくちく、ジャケットを縫ってくれました!
それからもジャケットがベストに、ネクタイに、ハンカチに、ボタンにと、段々サイズが小さくなりながら姿を変えていきます。
こんなおじいちゃんがいたらとても素敵ですね。
自分のおじいちゃんもものづくりが大好きで手作りのおもちゃをたくさん作ってくれたので重なります。

そしてボタンまでもがなくなったとき、おじいさんの創造性がヨゼフにも引き継がれていることがわかります。
なんて素敵なラスト!

そしてこの絵本は、家の1階にヨゼフが描かれ、2階でも家族の生活が見られます。
途中で妹が生まれて、その妹の成長や持っているブランケットなど、読むたびに発見があります。
地下にはねずみの家も! このねずみたちが、どんどん増えていくブランケットの切れ端をどう使っているのかも見どころです。
捨てたと思っていたものがどこかで大切に使われている。素敵な循環です。


2.情報

著者:フィービ・ギルマン (著, イラスト), 芦田 ルリ (翻訳)
出版年月日:1998/6/20
出版社:福音館書店
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3~4歳から