絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★476「まんげつのよるまでまちなさい」~子どもと親の我慢、そして時が来るのを待って、親子は成長した姿を見せる!

まんげつのよるまでまちなさい

「月・お月見」特集。
我慢の絵本。そして内なる時間と外の時間が一致した時、子も親も成長を見せます。

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「まんげつのよるまでまちなさい」表紙


「子どもと親の我慢、そして時が来るのを待って、親子は成長した姿を見せる!」

表紙の絵やタイトルからは想像できない深い世界が広がっていました。読み進むほどに、ページをめくる手が止まらなくなります。多少冗長な部分も、読み終わると「そう焦るな、ゆっくり味わって読みなさい」と言われていたかのようです。

アライグマの子がお母さんにお願いしたり聞いたりします。
「夜が見たい」「ふくろうに会いたい」「暗いのを見たい」「夜ってどのくらい大きいの?」「夜になるとみんな眠るの?」「お月様ってうさぎ?」「よるってくろ?あお?あか?」

お母さんは何度も言います。「満月になるまで待ちなさい」
そして満月の夜の歌や、夜の色の歌を歌います。その幻想的なこと…うっとりする美しさです。

待っている間にアライグマの子の心も体も成長します。
子の「これから見に行くからね」というきっぱりとした宣言と、「行っといで!」というお母さんの、内側と外側の時間・来るべき時が一致したとき、それは親と子の成長の時でしょう。



2.情報

著者:マーガレット・ワイズ ブラウン (著), ガース・ウイリアムズ (イラスト), まつおか きょうこ (翻訳)
出版年月日:1978/7/1
出版社:ペンギン社
ページ数:36ページ
おすすめ対象年齢:5歳から