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目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★377「スタンリーとちいさな火星人」~小1の課題図書にこんな難しいのやめてあげてください。本自体は素晴らしい、大人向け。

スタンリーとちいさな火星人

2019年の小学校一年生の読書感想文課題図書。
難しすぎる! こんな比喩、この前まで幼稚園・保育園で遊んでいた小学生にわからない。
わかったとしてもそれは一体上位何パーセントの子だろう?
読書感想文講座で「スタンリーはなんで火星人になったと思う?」って聞いてまともな答えが返ってきたことはありませんでしたよ…。
「いい話でしょ? 共感するでしょ?」と大人が押し付けるのはエゴ。
読書感想文が恐ろしくなる、そして文章を書くことに苦手意識を持つようになるから、
課題図書という仕組みはやめてほしい。

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「スタンリーとちいさな火星人」表紙


「小1の課題図書にこんな難しいのやめてあげてください。本自体は素晴らしい、大人向け。」

読書感想文講座を開いているのですが、小学校一年生の生徒さんが課題図書だと持ってきました。
読んでみてびっくり、これは一年生にはわからないでしょう!
この構造やスタンリーや周囲の気持ちを細部まで読解・理解できるようになるのは高校生くらいからじゃないですかね?
「いじわるなないしょオバケ」の比喩も難しいだろと思っていましたが、その上をいく難しさ。
こんな年齢に合わない難しい本を読ませて、理解もできないのに無理やり感想文書かせるから嫌いになるんですよ。もっとわかりやすいストレートな表現の本にしていただきたいです。

…と、感想文課題図書への苦言はここまでで、本自体は素晴らしいです。大人向けです。
母親が旅行に行ってしまった間の寂しさを、スタンリーが火星人という別人になって悪さをして発散するということで表現しています。(だからそんなの1年生男子に読解できないって…)
スタンリーが淡々と火星人として悪いことをするたびに、胸が痛みます。
この子なりにものすごく頑張って、自分自身の寂しさや怒りやどうしようもない気持ちと闘っているんだなと。健気で泣けます。
それを怒らずそっと見守るお兄ちゃんとお父さんも素敵。
少年の心の成長のお話。大人ほど沁みると思います。


2.情報

著者:サイモン・ジェームズ (著, イラスト), 千葉 茂樹 (翻訳)
出版年月日:2018/8/20
出版社:あすなろ書房
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:6~7歳から むしろ大人向け