おやすみなさい コッコさん (幼児絵本シリーズ)
夜、寝ないで頑張って、夜の静寂と闇とその感覚を掴もうとしたことはありませんか。
もしくは眠れない夜の感覚。
昼とは違う夜の化け物なのか、はたまた神様なのか、妖精さんなのか、見えるような気がします。
「静かな夜の感覚をとらえようとするコッコさんの感性の鋭さが美しい。」
コッコさんシリーズ。本書は1982年に年少版・こどものともとして発行された作品。
静寂と、その中の子どもの心がふわふわと揺れる、本当に美しい絵本です。
月夜の晩、みんなが寝静まったのに起きているコッコさん。
眠れないのか、眠らないという意志を持って起きているのか。
たぶん夜という静かで不思議な時間を、空想家のコッコさんは五感で感じ、楽しんでいるのでしょう。
みんなが寝ているのに自分だけが世界で一人起きている、私だけがこの瞬間を知っているという感覚。
体は眠い、でもその感覚をじっととらえようとする子どもの心。
なんとも魅力的でひきこまれます。
最後にバンザイの姿で寝てしまうのが、また子供らしくて愛くるしいですね。この寝方、懐かしいです。
2.情報
著者:片山 健
出版年月日:1988/1/30
出版社:福音館書店
ページ数:24ページ
おすすめ対象年齢:2~3歳から