ちょっとだけ (こどものとも絵本)
大ベストセラー、「泣ける」と大評判の絵本に毒舌のメスを入れるコーナーです。
かつてこの絵本に対してこんなに毒を吐いたレビューがあっただろうか。
わたしゃ見たことないよ。
毒舌すぎて注意マークとしてタイトルに新たに■マークを作ってしまった。
下の子が生まれたというので、女の子が遠慮がちに愛を乞うこの本。
健気だなあと感動すべきなのはわかるんです。意図もわかるし、評判がいいのもわかる。
でも実際子どもがこの状態・ここまで追い詰められた状態だったら、この母親どうなのよ? と疑問でなりません。
しかし世の中的には本当に好評な本なので、「鉄板・名作」カテゴリに入れるという矛盾(笑)
「子どもには読ませられない…。幼児一人で公園に行かせる母親はやばい。」
ベストセラーで、「泣ける!」「感動した!」「下の子が生まれる時にプレゼントを!」などといろんなところで大絶賛されているのを見る本です。
が、読んで泣けて感動するのは母親だけにしておいた方がいい気がします。
私は自分の子どもには、同じ状況の時にこれを絶対読ませられない。
こんな「いい子」になりなさいと示唆するとも取れるようなことはできないです。
最後が大事なのは大人は理解できますが、子どもは全体を見て「こうしなきゃいけないのか…」と思ってしまいそう。
なっちゃんのおうちに赤ちゃんがやってきて、色んなことを我慢して、何も言わずに自分でやるように努力して、
でも最後の最後に「ちょっとだけ抱っこして…」「ちょっとだけでいいから…」というなっちゃん。
たぶんここでお母さんたちはこの子の健気さに泣いてしまうんでしょうが、このレベルの「いい子」演技は精神的にすごいダメージを受けたやばい我慢状態だと思うのです。ここまでさせた母親出てこい、と思ってしまうレベル。このままのいい子さで育つと、たぶん将来ぐれるか病む。私がこんな感じだったのでわかる。病む。
うちの娘は下の子が生まれた時、赤ちゃん返りして悲惨でした。
「赤ちゃんを触るな!」「私だけをだっこしろ!」「おっぱいあげるな!オムツ替えるな!」と、私に赤ちゃんを触らせない。
そして彼女なりに半年ほど葛藤して、やっと下の子を受け入れました。
こういう反応が「子どもらしさ」じゃないかなあと感じます。
あと、抱っこ紐もベビーカーも使わず、生まれたての赤ちゃんを素手で抱っこして買い物に行くとか(買い物かご持てないし)、
未就学児のなっちゃんが一人で公園に行くとか、現実感がなさすぎです。
こんな小さな子どもに一人で公園に行かせているのか、もしくは勝手に行っているのに気づかないとか、
どちらにしろこれはネグレクトですね。周りの大人、通報してオッケー案件。
「公園に1人でブランコに乗ってる子がいます…!」
189(いちはやく)に通報です。
昭和の絵本なら「まあそんなこともあるか」と思ったかもしれませんが、2007年の作品ー!
こうして考えていくと、優しそうに見えるこのお母さんが恐ろしく見えてきます…。
まあ考えすぎのレビューです(笑)
適当に読んでおいてください。
2.情報
著者:瀧村 有子 (著), 鈴木 永子 (イラスト)
出版年月日:2007/11/15
出版社:福音館書店
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:2~3歳から