絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★84「くんくん、いいにおい」~脳にもっともダイレクトに記憶を刻むのが嗅覚

くんくん、いいにおい―The Sense of Smell (BOOK OF SENSE SERIES (1))


匂いという感覚が一番、記憶を鮮明に思い起こさせますよね。
この本は様々な匂いの記憶、それに伴う色々なことを思い出させてくれます。
感覚が研ぎ澄まされる。そして胸がキュンとします。



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「くんくん、いいにおい」表紙

「脳にもっともダイレクトに記憶を刻むのが嗅覚」

人間は嗅覚が一番記憶を思い出させるような気がします。
自分が幼少期に通っていた保育園の前を通った時に、部屋の匂いが鼻に入ってきて、当時の記憶が一気に思い出されたことがあります。
記憶を呼び戻す匂いってありますよね。
実家の匂い、ごはんの匂い、シャンプーの匂い、絵の具の匂い、本の匂い…。

この本の主人公も「いいにおい」と感じる様々なにおいを体験し、それはきっと脳に強烈に刻まれ、時を経て記憶となって甦るのでしょう。そんな先の光景までもが想像できて、胸がキュンとなりました。
心から優しく幸せであたたかな気持ちになる絵本です。

たしろちさとさんの本書の絵は、とても柔らかいタッチと色合いで、匂いを本当に上手に表現しています。
絵から匂いが感じられます。
あと黒の使い方が本当に素敵! 私は濁るのが怖くて黒をなかなか使えないんですが、黒って色は上手な人が使うと本当にいいなあと改めて思いました。


2.情報

著者:たしろちさと
出版年月日:2006/07
出版社:グランまま社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:2歳から