絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★43「カレー地獄旅行」~昭和・サブカル大好き大人も全力で楽しめる食育絵本

カレー地獄旅行

私も娘もドはまりして、買いました!
昭和の居間が、食卓が、ここにあり!
イラストのテイストも、細部への徹底的なこだわりも、すごく好きです。
作りこみが細かいので何度読んでも楽しめます。
そんな作者は『ニッポン』をテーマにダイナミックで懐かしさとユーモアに富んだ制作を行っているひげラク商店の店主、安楽 雅志氏。

しかしなんで子どもって地獄とか妖怪とかが好きなんでしょうね。
本当にどこかにあるからかなあ? 生まれる前に見てきたのか?(笑)


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「カレー地獄旅行」表紙


「昭和・サブカル大好き大人も全力で楽しめる食育絵本」

なんだこの本は。手に取った大人がまず離さなくなる。
子どもが「かーしーて」「よーんでー」と言っても「ちょっと待ってちょっと待って」と夢中になって読んでしまう。
昭和レトロ、サブカルの匂いにあふれている。その辺が大好きな大人はぜひ手に取ってみてほしい!
「食育絵本」とのことだが、食育にとどまらない。アートが、文化が、大爆発。

作者はひげラク商店の店主、安楽 雅志氏。『ニッポン』をテーマにダイナミックで懐かしさとユーモアに富んだ制作を行っている。

カレーが大好きなみちひとくんは、妹のカレーのお肉を勝手に奪い取る。大嫌いなにんじんは投げ捨てる。
そんなわがままみちひとくんが、カレーに吸い込まれる!
なんだその設定。相当怖い(笑)
みちひとくんの家はザ・昭和インテリアで、いたるところにカレーネタがちりばめられています。いくつ見つけられるかな。

でも怖くてシュールなのはまだまだこれから。
「包丁地獄 よこどりの罪」では大きな包丁に切り刻まれそうに。切り刻まれるのを想像したらえぐい。
「鉄鍋地獄 スキキライの罪」ではフライパンで焼かれそうに。
「煮こみ地獄 わがままの罪」ではあくが出るまでぐつぐつ煮こまれ。
仕上げに「清めルーの滝」!! 熱い。
怖いカレー地獄だけれど、細かいところまでよく見るとちょっと笑える小ネタが隠れています。

天かららっきょうの神様が下ろしてくれたチーズの糸は、まるで「蜘蛛の糸」。
みちひとくんは無事生還できるのか??

ちなみに我が家の大人たちは、扉の「カレー地獄温泉郷」と「カレー地獄商店街」にくぎ付け。これだけで30分くらい楽しめます。
子供だましではない、全力の昭和・サブカル大好き大人にも向けた一冊。飽きることがありません。


2.情報

著者:ひげラク商店
出版年月日:2017/2/9
出版社:パイインターナショナル
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳から