絵本と愛と子どもらと

目指せ3000冊の絵本レビュー。おすすめの絵本を、季節や行事や年齢ごとに紹介します。時々子育てコラム。私のおススメはタイトルに★をつけています。

★32「しんでくれた」~いつか「死んでくれた」ではなく「殺している」を説明できる親になりたい

しんでくれた

「やきざかなののろい」繋がりで、食育の本をもう一冊。
bookand.hateblo.jp


タイトルにドキッとします。谷川俊太郎さんの詩。
絵は「やきざかなののろい」の著者の塚本やすしさん。
あなたはなぜ人間が動物を殺して食べるのか説明できますか。私はまだ自信がありません。


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「しんでくれた」表紙


「いつか「死んでくれた」ではなく「殺している」を説明できる親になりたい」


「やきざかなののろい」とセットで読んだ。やきざかなも塚本やすしさん。

どうしてしまったかと思うインパクトのある題名。保育園でみつけたときドキッとしてしまった。
食育の本だとわかるけれど、頭ではわかるけれど、絵本としては衝撃すぎないかという第一印象。
でも子どもに読ませたら意外と普通に納得しているし、素直に受け取っている。
子どもの心の柔軟性、吸収力には驚かされる。

「うし
しんでくれた ぼくのために」

こんなのも「へえー」と素直に受け取る子ども。
頭が固すぎて普通じゃないのは大人のほうなのか。
とても考えさせられる。

最後に向かって力強く
「だからぼくはいきる」
と言うのは、生への強い覚悟や意志を感じてとても感動する。
読むほどに考えさせられ、色々な意味を感じ取ることができる。

いつか「しんでくれた」じゃなくて「人間が生きるために殺しているんだよ」「人間が地球で生きるとはどういうことなのか」「じゃあ私たちはどうしなければいけないのか」ともっと正確な言葉で説明して子どもに考えさせる親になりたい。


帯のコメントより

「いのちは いのちをいけにえとして ひかりかがやく」
そのことを わすれたくありません。
谷川俊太郎

2.情報

著者:谷川 俊太郎 (著), 塚本 やすし (絵)
出版年月日:2014/4/18
出版社:佼成出版社
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳から